配線や設置場所が難しい既存施設にも容易に設置でき、安定した通信環境を実現 遅延のない確実な通信により、サービスの信頼性が大きく向上
企業名 | JMACS株式会社 様 |
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業界・業種 | 電気機器 |
導入ソリューション | PicoCELA |
JMACSでは、新たに提供を開始した介護支援サービスに対して、これを支える安定した通信環境を確立するため、「PicoCELA」を導入。IoTによる信頼性の高いサービスの提供が可能になるとともに、構築期間の大幅な短縮を実現。遅延なく確実に届けられる情報が、命を預かる現場で忙しく働くスタッフを支えている。今後は他システム・他サービスにもPicoCELAを活用していく考えだ。
サービス:無線エッジコンピューター「PicoCELA」
導入効果
- 安定した通信環境により、施設利用者の行動情報を遅延なく確実に通過
- ケーブルの引き回しが不要、設置が容易なため工期が大幅に短縮
- サービスの信頼性が向上したことで、介護者の負担も軽減
介護現場をサポートするサービスの開発に際し、センサーの通信環境がネックに
創業から50余年にわたって電線業界において独自な視点で製品を開発してきたJMACS。現在では、多様化する顧客のニーズに応え、高機能ケーブルの開発のほか、各種自動化・省力化システムの受託開発などソリューション事業にも注力することで、“100年企業”を目指している。この点について常務取締役 営業本部長 浦井清一氏は「5年前にトータルソリューション事業部(現BSCグループ)を立ち上げ、さまざまなサービスを手がけるようになりました。最近ではIoTやAIなどの最新テクノロジーを活用し、工場のスマート化(スマートファクトリー)やAIを用いた画像処理システムによるマッチング検査、防爆スマートグラスとの組み合わせによる遠隔支援システムなど、多様なソリューションの提供を行っています」と語る。
こうしたサービスのひとつとして、同社が新たに提供を開始したのが、介護現場サポートシステム「JSEEQ-Care(ジェイシ-クケア)」だ。JSEEQ-Careは、人感センサー、温湿感センサー、ドア開閉センサーなどを活用したIoTソリューションであり、介護施設において居室の状態をリアルタイムで検知する見守りシステムとして提供するものだ。24時間365日体制の見守りにより、異常を早期に発見したり、事故を未然に防止したりすることが可能だ。また、カメラを使用せずにセンサーで動きを検知するため、被介護者のプライバシーも守られる。被介護者が自ら異常を知らせる必要もないので、そこに負担が発生することはない。
「介護業界は人材不足という問題を抱えている一方で、オペレーションコストの削減も求められています。JSEEQ-Careなら各種センサーによって確かな見守りが実現できるため、介護スタッフの作業負荷を軽減することが可能です」(浦井氏)
さて、同社がJSEEQ-Careの開発を進めていく中で、課題となったのがセンサーの通信環境だった。JSEEQ-Careでは現場に設置された各種センサーが受信ユニットへデータを送信し、それをシステムで活用する。しかし、同社が当初使用を予定していたWi-Fi機器では通信が不安定だったのである。営業本部 BSCグループ 西日本担当 主任の西谷孝二氏は「JSEEQ-Careも、当初はメールで通知する仕組みをとっていたのですが、通知が数分遅れてしまうこともありました。介護の現場は人の命を預かる仕事ですので、お客様にシステムを安心して使っていただくためにも、通信環境の改善は必須と考えました」と振り返る。
信頼性とスループットの面に優れ、設置も容易な点を評価
JMACSはこの課題を解消するため、Wi-Fi機器の代替となる製品を探していく中で「PicoCELA」を知った。営業本部 BSCグループ 西日本担当の丸居雅氏は「比較対象であったメッシュWi-Fiと比べて、信頼性とスループットの面で勝っていました。そして何より評価したのが、既存の施設にケーブルを新たに引き回す工事が不要で、設置が容易。工期を大幅に短縮できるという点です。さらに、福岡市の地下街における導入実績も大きな判断材料となりました」と語る。
そこで同社はPicoCELAの採用を決定。2019年11月、まずは大阪の介護施設で6フロア36室を対象に設置した。ここでは各フロアを2台のPicoCELAでカバーし、ケアステーションの見守りモニターで監視している。
「実際に工事を行ってみると、設置・設定の作業がとても楽でしたね。特に昨今は、コロナ禍の影響により高齢者の多い施設ではできるだけ少人数かつ短時間で対応しなくてはなりません。そういう意味でも、特別な工事が不要なPicoCELAのメリットは大きいですね」(丸居氏)
その後、同社はJSEEQ-Careの通知をメールからスマホアプリに切り替え。誰もがカンタンに使えるようにした。これにより、タイムラグのない通知が可能になったという。
「迅速、使いやすさ、わかりやすさが大きなポイントです。そうでなければITリテラシーに差がある介護の現場で使ってもらえませんからね。こうした切り替えが実現したのも、安定した通信環境を提供してくれるPicoCELAのおかげです」(丸居氏)
IoTによる状況の可視化と安定稼働が実現し、現場の省力化にも貢献
JMACSがPicoCELAをJSEEQ-Careの通信設備として導入してから1年以上が経過しているが、これまで大きなトラブルはなく、安定した稼働が続いている。
「多くのセンサーの情報をほぼリアルタイムに収集し、各室内の状況を的確に可視化することができるようになりました。また、通信が不安定になることがないため、異常が発生したとき確実に通知が届くという信頼感は大きいですね。介護の現場では、ちょっとした対応の遅れが命に関わってきますから」(西谷氏)
省力化の面では、居室内の異常を一括して検知できるため、介護者の負荷が軽減。従来は4名でオペレーションを行っていた夜勤業務が、3名で回せるようになったという。 「入居者の行動パターンが解析できるので、ケアプランも立てやすくなりました。今後、センサーを通じたデータの蓄積が進むことで、きめ細やかなサービスをより効率的に行うことが可能になると思います。また、JSEEQ-Careでは保守契約も提供しているので、もしトラブルが起こればお客様に状況と対応を説明しなければなりません。この際、PicoCELAはログを取得できるので、これを活用することで、しっかりと説明責任を果たすことができます」(浦井氏)
同社ではすでに2施設へJSEEQ-Careを導入しており、いずれの施設でもPicoCELAが活用されている。とはいえ、すべてが順風満帆に進んだわけではなく、シルバーマンションのような施設では厚いコンクリートの壁、鉄のドアがあることから、無線がつながりにくいケースもあったという。こうした対応には苦労させられたが、迂回手段などのノウハウを積んだことで、今後はより短期間での構築も可能になると同社は期待している。
「今回の導入において、CSIソリューションズには迅速かつ真摯に対応いただき、たいへん助かりました。今後についてひとつお願いを言わせてもらえるなら、案件によっては難しい設置になるケースもあるので、そういうときは現地調査に同行してもらえるとありがたいです」(丸居氏)
他システム、他サービスでもPicoCELAを活用したい
今後についてJMACSでは、2021年3月までに新たに3施設へ導入を予定している。また、ナースコールシステムの通信についてもPicoCELAへの切り替えを検討しているとのことだ。さらに浦井氏は、「自社のスマートファクトリーなどへの適応も検討していきたい」と述べ、次のように抱負を語ってくれた。
「今回の導入を機に、他のサービスでもPicoCELAを活用したIoTソリューションをモデル化して、さらなるビジネスの拡大を図っていきたいと考えています。その際、場合によっては協業も必要になってくるでしょう。CSIソリューションズには、豊富な経験に基づいた、さまざまなアドバイスを期待しています」
会社名 | JMACS株式会社 |
本社所在地 | 〒553-0003 大阪府大阪市福島区福島7-20-1 KM西梅田ビル11F |
事業概要 | ソリューション事業、電線事業の2つの事業を展開。「スピードと技術のJMACS」を目指し、常に顧客の視点に立った新製品・新技術の開発、サービス提供を進めている。 |
URL | https://www.jmacs-j.co.jp/ |
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